毎朝、鳥たちが集まってくる。
皆で寄り添って、朝日が昇り切るのを待っている。
今日も仲間が居る。
陽が昇る。
何気ない一日が始まる。
此処はリアルの写し鏡。
語りかける相手は温かな肌を持った人。
想いが巡る。愛が巡る。
何気ない日常を送る幸せ。
此処に生きている。
愛する者が居る。
此処に私が居る。
☆
生きたくても生きられなかった幼子が居る。
彼女は小学校の校庭で見つかったという。
春から通う学校への登校練習をしている時に
津波に連れて行かれたという。
☆
全てを失った青年が居る。
車で出かけていた時に全てを持っていかれたという。
残されたのは己の体と車だけ。
家族も家も全てを持っていかれた。
☆
生きている。
此処に生きている。
皆で助け合って生きている。
大地は動き続け、地は沈んだままだ。
此処に生きている。
悲しみに暮れる時期は終わった。
生きている。
前を向いて生きて行く。
☆
愛を巡らせたい。
優しさを伝えたい。
仲間と一緒に生きている。